2014年12月28日日曜日

共産党小選挙区戦略② 2014総選挙の結果から その1

小選挙区での得票率10%を当面の目標にしている共産党。今回の総選挙で得票率10%超の選挙区は196選挙区にのぼり、前回選挙時の56選挙区から3・5倍に増えた。さぁ、このニュースを「すごい、すごい」と言って喜ぶことが共産党のこの選挙制度のもとでの多数者形成につながるかどうかはよく考えないといけないと思う。

今回の小選挙区の戦いでは自公vs共産党などの直接対決の選挙区が多数あり、選択肢がなかった故に、共産党候補の得票が増え、得票率が増えた選挙区がある。特に20%超の選挙区が多数を占めた。

大阪3区 公明・佐藤茂樹vs共産党(42.8%)
大阪5区 公明・国重徹vs共産党(42.5%)
兵庫8区 公明・中野洋昌vs共産党(39.1%)
埼玉2区 自民・新藤義孝vs共産党(35.2%)
福岡7区 自民・藤丸敏vs共産党(29.5%)
群馬4区 自民・福田達夫vs共産党(28.7%)
福岡8区 自民・麻生太郎vs共産党(28.7%)
熊本2区 自民・野田毅vs共産党(28.4%)
福岡6区 自民・鳩山邦夫vs共産党(28.0%)
長崎3区 自民・谷川弥一vs共産党(27.8%)
徳島2区 自民・山口俊一vs共産党(25.9%)
鹿児島2区 自民・金子万寿夫vs共産党(25.8%)
千葉12区 自民・浜田靖一vs共産党(25.7%)
三重4区 自民・田村憲久vs共産党(25.5%)
兵庫9区 自民・西村稔vs共産党(25.2%)
岐阜2区 自民・棚橋泰文vs共産党(24.5%)
熊本4区 次世代・園田博之vs共産党(24.1%)
栃木5区 自民・茂木敏充vs共産党(23.5%)
和歌山3区 自民・二階俊博vs共産党(23.5%)
茨城2区 自民・額賀福志郎vs共産党(23.3%)
熊本3区 自民・坂本哲志vs共産党(22.9%)
広島5区 自民・寺田稔vs共産党(22.3%)
宮崎2区 自民・江藤拓vs共産党(21.6%)
宮崎3区 自民・古川禎久vs共産党(21.5%)
石川2区 自民・佐々木紀vs共産党(21.2%)※無所属候補3.5%
鹿児島5区 自民・森山裕vs共産党(21.0%)
岡山5区 自民・加藤勝信vs共産党(20.7%)

自民党の重鎮や政治家業、保守の強い地盤での反共産党野党が立てなかったからというのはよくわかる。そんな中、直接対決でも小泉進次郎や石破茂などには20%を超える得票率を得ることはできなかった。

一方、公明党との対決は得票率が上がる。これは両党の犬猿の仲として、反創価学会の感覚を持っている人は共産党に入れるし、共産党も強い地域でもある。
埼玉2区は川口である。かつて共産党が強かったところと候補者が補選で勝った県議という点が大量得票を得た要因だと思われる。この方が国政候補として活動が続けられればいいのだが。

共産党が20%以上をとったからといって、相手は7割の得票率で「圧倒的勝利」を収めているのである。ここに喜んでいる場合ではないということが言えるのではないだろうか。

 つづく。

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