2016年2月20日土曜日

いったん横において作戦

共産党の戦争法廃止への展望-それは、国民連合政府の樹立である。
共産党綱領=基本方針に定められた暫定政権構想の具体化であった。

共産党は社会主義革命ではなく民主主義革命を当面の目標としている。
内容としては資本主義内での民主的改革である。
具体的には安保廃棄、自衛隊の国民的合意に基づく解消、領土の回復、国際協調と平和共存、憲法の完全実施(=現行の象徴天皇制と共存)、大企業優先経済の見直し、労働法制の規制強化、農業・中小企業応援、社会保障充実の財政・経済運営などである。
これを実現するのが共産党の言うところの「民主連合政府」である。

だが、一気にこの段階には社会は発展しないだろうという現実的な目を持っているのが共産党。笑
そこで、この民主連合政府実現までには統一戦線=共産党+団体、市民や他党の連合体を作っていくことが必要と考えている。

しかし、この「統一戦線を発展させる過程で、統一戦線の発展の過程では、民主的改革の内容の主要点のすべてではないが、いくつかの目標では一致し、その一致点にもとづく統一戦線の条件が生まれるという場合も起こりうる。党は、その場合でも、その共同が国民の利益にこたえ、現在の反動支配を(打破してゆくのに役立つかぎり、さしあたって一致できる目標の範囲で統一戦線を形成し、統一戦線の政府をつくるために力をつくす。」と表明している。

 だから、戦争法強行可決後すぐに国民連合政府を呼びかけられたのだと。

共産党内では筋の通った提案でも他党にとってはやはり共産党と政権構想を議論することに躊躇するところもあったのだろう。

しかし、共産党としても国民連合政府を自分たちの綱領だけに依拠するのではなく、「野党は共闘」の国民の声に共産党なりに応えるためでもあった。これがこの数ヶ月、永田町での無理難題を掲げても国民の中で、反対した市民の中で存在感を示し続けてきたのだろう。

そもそもこの国民連合政府構想は共産党が掲げた当面の目標の安保廃棄などは「いったん横におく」ということをはっきりと表明したことに衝撃が走ったのではと思われる。

そして、2月19日その国民連合政府構想さえ、「いったん横において」選挙協力の協議に入る立場を表明したのであった。

このことは単純に共産党のねばり負けとみるだけでいいのだろうか。
野党5党首会談で合意後、「いったん横において」発言であった。
民主党に兼ねてから求めていた“まずは話し合いを”という共産党の訴えは
野党党首会談という場で実現し、安保法制廃止、閣議決定撤回、国政選挙の協力や安倍政権打倒で合意したのである。
そして、共産党発案の「国民連合政府構想」は横に置く=選挙協力の前提条件にしないとしたのであった。しかし、共産党の国民連合政府というのは安保法制廃止、閣議決定の撤回を目指したものであった。政権合意を前提しなくても野党5党の意思がしっかりと確認できたことは大差ないのだろうか。そしてまたしても共産党の決断である。

共産党としては1人区で民主党を応援し、議席を増やす一方、しっかりと市民の前で共産党の存在感も示すことで比例や複数区での自らの躍進につなげたいのではないだろうか。

参院選の結果次第ではねばり勝ちと言えるかもしれない。

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